ABA (応用行動分析学) について

●「ABAって何だろう?どんなものだろう?」

 ABAの最も大きな特徴は、ある行動が起きたとき、その行動を、「きっかけ」「行動」「後の出来事」の3つをセットとして捉えて考えるということです。

 

●行動の前後に何が起きたのか、ということを大切にする。

 上の図を見て下さい。

 ABAでは、「きっかけ」と「後の出来事」で「行動」を挟んで真ん中に置きます。

 これは、「きっかけと行動」「行動と後の出来事」をそれぞれ分析するためです。

 

●きっかけと行動

 行動を起こす時は、大抵何らかのきっかけがあります。

 例えば、お子さんがすぐに部屋から走って逃げていく…という場合、そのきっかけには「好きではないプリント学習を促された」「嫌いな食べ物を大量に差し出された」などがあると思います。

 このように「きっかけ」を捉えるところからABA療育は始まります。

 上記の例をABAで扱うなら、「まずは好きなプリントから始める」「嫌いな食べ物でも少しずつ食べられるように、少量だけ差し出す」などの方法で療育に取り組みます。

 

●行動と後の出来事

 ABA療育では、「行動と後の出来事」も大切にします。

 例えば、お子さんが家の壁紙をはがしてお母さんの顔を見ているとします。しかも、この壁紙はがしが常態化しているとします。

 この行動の「後の出来事」として、「お母さんが怒る」とします。

 この場合、「お母さんが怒る」こと自体が子どもの注目して欲しい気持ちを満たしている可能性が考えられます。

 ABA療育の場合、「後の出来事」を特定した後、「怒らずにそっと壁紙から離す」「他の良いことをしている時にたくさん遊ぶ」という方法を用います。

 

ABAは、「きっかけ」「行動」「後の行動」を大切にするため、「子どもがわがままだから」「知的に重度だから」という、「お子さん自身の要因」に行動の原因を求めません。

 そのため、お子さんにとって、非常にポジティブな療育を行うことができます。

 

 お子さんと周りの環境の関わりを調整しながら、楽しい生活を作っていく、ということこそがABA療育の最大の特徴です。